緊急特集:MB22603の秘密


MB22603とは、FM-8にミニフロッピーディスクドライブを接続するためのアダプターです。
今回訳あってこのMB22603を分解調査してみましたので簡単に報告します。

仕様・接続図

下図のように、FM-8本体とミニフロッピードライブ装置の間に入ります。
FM-8用に発売されましたが、FM-7/NEW7でも使用可能です。(ただし制限あり)
FDCはミニフロッピードライブ装置の方に内蔵されており、このアダプタの内部は
12個のTTLが入っているのみです。アドレスデコーダとバスバッファがメインです。
FM-8の50ピンバスと、FDCのバスを変換しているアダプタと考える事ができます。
大した回路量ではないので、FM-8本体かフロッピードライブのどちらかに入れて
くれればよいのに、と思いました。(邪魔なので)

+---------+                    +---------+                +-----------+
| FM-8    | 50ピン拡張コネクタ |         | 34ピンコネクタ | MB27601   |
| FM-7    |--------------------| MB22603 |----------------| MB27605   |
| FM-NEW7 |                    |         |                | MB27607   |
+---------+                    +---------+                | MB27611   |
                                                          | MB27631(H)|
                                                          +-----------+

ちなみにFM-7用には、同等の機能を持つ MB22407 ミニフロッピーインタフェースカードが
用意されていますので、普通はこちらを使います。本体に内蔵できるのですっきりします。
一方、MB27607の取り扱い説明書には、「FM-7との接続時には MB22603 は使用可能だが、
クロックを1.2MHzに落とすように」と書いてあります。(末尾に追加情報あり)
外観
mb22603-0 手前側にFM-8本体を接続します。

内部(本邦初公開!?)
mb22603-1 右側にJ1というジャンパー用のパターンがありますが、ポストが立っていないため使えないようです。

mb22603-2 これは裏面です。


プリント板配線図(未完成)
mb22603-3

回路図(抜粋)
mb22603-4

とりあえず、目的の「割り込みに関係する部分」だけ抜き出して描きました。
一見、J1のジャンパーを接続すれば IRQが通りそうに見えますが、
実は回路設計ミスと思われ、割り込みがかかりっぱなしになり
使い物にならないはずです。
TTLのゲートは余っていますので、パターンカットとパッチワークをすれば
IRQを通すようにはできますが、「それを要求するソフトウェア」は存在しない
ため、無意味です。

まとめ

MB22603 MB22407 の違いを書いておきます。

                 MB22603                    MB22407
接続可能本体     FM-8/7/NEW7                FM-7/NEW7
接続先           50ピン拡張コネクタ         32ピンスロット
本体接続方法     ケーブル接続               本体内格納
動作保証周波数   1.2MHz                     2MHz
IRQ              通過しない                 $FD02でマスク解除可能(リセット時はマスク)
ボード内レジスタ READ $FD1F D7(DRQ) D6(IRQ) READ  $FD1F D7(DRQ) D6(IRQ)
                 --                         WRITE $FD02 D4(MFD)

[追加情報]
I/O 1983年1月号に本稿と非常に関連の深い記事がありましたので紹介しておきます。

383ページ 「FM-8メインCPUの高速化 〜追記〜」

わずか1ページの記事ですが、貴重な情報が書いてありました。
・ミニフロッピーアダプタの高速化
・ブートROMの高速化
の2本の記事のうち、前者によれば、

  ・MB22603には初期版と後期版があり、基板(回路)が異なる。
    初期版は高速化しても大丈夫。
    → はせりん所有のは後期版です。(泣)
  ・後期版はタイミング調整用のディレイラインが追加されており、
    この影響で2MHz 動作時にフロッピードライブを認識できない。
    すなわち高速化改造したFM-8では使えない。
    → FM-7では低速モードで使用せよ、という指示はここから
       来ているのだと推測されます。

という事です。対策として、

  ・ジャンパー(J2,J3)の設定を変える

等の記載がありますが、詳細は省略します。

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さらに、最近 2ch にも関連コメントがありました。
富士通FM−8探索隊 701
いずれ消える可能性がありますので、ここに引用しておきます。

701 :ナイコンさん:2011/05/30(月) 00:44:12.15 
      インターフェースに何でディレイラインが必要なのか気になって調べたけど、 
      サフィックスが無いFDC(Aが付かないヤツ)にも対応しているから面倒なこと 
      になるんだな。 
      WEの幅がmin350nsでセットアップ/ホールドが250ns/65nsなんて、今から 
      すれば軽い嫌がらせだわ。 
      8877Aか8876Aのみを繋ぐのなら、Eの反転を基本に簡単にタイミングを 
      作れるのに。ご苦労なこった。 

I/Oの記事と2chのコメントを総合すると、MB22603は当初MB8877Aがつながるとして
設計されており、初期版は高速化対応OKであった。しかし、その後MB8877にもつながる
ように設計変更され、ディレラインが追加されてしまい、後期版では高速動作(2MHz動作)
不可となってしまった。

# なぜMB8877対応せざるを得なくなったのかは不明ですが、今となってはよけいな事を
# してくれたもんです、としか言いようが無い...

うーむ、こうなると初期版のMB22603の調査をしたくなるのですが、どなたかお持ちでないでしょうか?

////////

Oh!FM 第2号(1983年4月発行)に本稿に関連の深い記事がありましたので紹介しておきます。

フロッピーディスクユニット -各社ドライブユニットの比較検討- 山科 好さん

要は、サードパーティ製のフロッピーディスク装置の比較記事です。
6種類の装置を比較していますが、その表にどのFDCを使っているか記載されてました。

 A社製 MB8876(MB8866)
 B社製 不明
 C社製 MB8877
 D社製 MB8876A
 E社製 FD1791
 F社製 MB8877

という事で、MB8877Aを使っているのは1台もなし。
もっと問題なのは、MB8876A を使ったものを含めても1台しかなく、
残りはタイミングの厳しい Aなし版MB8877(8876)か、FD1791になります。

また、FM-7 + MB22603 + FDD の組み合わせでは 2MHz モードで動作しない
ものがあるとの記載があります。
この辺り、今となっては検証が難しいですが、こんな感じだったのでは
ないでしょうか。(ますます初期型MB22603が欲しくなる...)
                                          接続 2MHz動作
 MB22603初期型 + MB8877A/76A搭載ドライブ    ○  ○
 MB22603初期型 + 非MB8877A/76A搭載ドライブ  ×  ×
 MB22603後期型 + MB8877A/76A搭載ドライブ    ○  ×
 MB22603後期型 + 非MB8877A/76A搭載ドライブ  ○  ×


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